2026.8.19

9.JMは「第2の創業期」で何に挑戦するのか

 JMは、2025年に創業25周年を迎え、2026年からを「第2の創業期」と位置付けました。これまで積み上げてきた実績を踏まえ、JMが「第2の創業期」で、何に挑戦するのかをお話しましょう

 

これからの日本は人口減少が急速に進み、地方では公共施設やインフラなどの利用者が減って、維持管理の費用負担が重くなっていくことが大きな社会課題となるだろう。自治体や地域住民の負担を出来るだけ増やさずに、公共施設やインフラをどのように維持管理していくのか。この先、どの地域でも直面する難題である。

そのため、財政負担の軽減を狙って、官民連携による公共施設の運営・維持管理を進めるべく、国は1999年にPFI法を制定し、その後「Park-PFI制度」「指定管理者制度」が導入された。

しかし、その活用は年間100件に満たない状況が続いている。原因は、「Park-PFI制度」「指定管理者制度」を活用した建物施設の維持管理・保守メンテナンスが、民間企業にとって収益に繋がりにくいからだと私は考えている。

 


創業時の挑戦

JMが「第1の創業期」で建物の「小口修繕サービス」という新しいビジネスモデルに挑戦したのは、建物・施設が完成した後の維持管理サービスが日本にないことを私が強く危惧したことが発端である。今後益々老朽化する建物・施設の保守メンテナンスで収益をあげられるビジネスモデルの構築に取り組んできた。

この構築には、2026年5月にお亡くなりになったセブン・イレブン-ジャパン(SEJ)元会長の鈴木敏文氏が、まだ実績もなかったJMの保守メンテナンスサービスを、セブン・イレブン店舗に導入いただいたことが大きく寄与しており、現在のJMをつくり上げるきっかけとなった。鈴木氏への感謝の念は、今も決して尽きることはない。

2000年当時、インターネットの普及も始まったばかりで、スマートフォンも登場していなかったが、全国のセブン・イレブン店舗の現場状況をリアルタイムに把握・共有するため、衛星電話やバーコードリーダーなどのデジタル投資を行い、現場で実施した点検・修繕工事結果の報告書を車載プリンターで出力することを実現し、JMの保守メンテナンス事業の礎を築いた。

2011年の東日本大震災の後、エネルギー問題が顕在化し、JMでは、出光興産・日産自動車とともに、エネルギーマネジメント事業のビジネスモデル構築に取り組んだ。ソーラーパネルやEV(電気自動車)充電器などの設置工事が増大したため、それらのニーズに対応できるよう組織化を進めた。その結果、数多くの小規模施設のソーラーパネルの設置工事やEV充電器・蓄電池の設置工事と共に、エネルギーマネジメントの相談が増えるようになった。

 

官民連携事業の広がり

JMには営業部がない。ところが、保守メンテナンス事業とエネルギーマネジメント事業が安定した2018年頃から、民間施設の管理に関するノウハウを活用した、自治体の公共施設の包括施設管理の相談が舞い込むようになった。今までに包括施設管理業務を受託した自治体数は13団体となった。

包括施設管理の相談とともに、自治体の保有する公園の活性化に関する相談も受けるようになった。その結果、2019年4月には、道の駅と隣接した狩野川沿いの河川敷に指定管理者制度で「川の駅 伊豆ゲートウェイ函南」を開業し、2023年10月には伊豆の国市の狩野川河川敷に「川の駅 伊豆城山」をPark-PFI制度を活用して開業した。この「川の駅 伊豆城山」は、2026年1月に、国土交通省主催の『かわまち大賞』を受賞した。

川の駅「伊豆ゲートウェイ函南」

 

『かわまち大賞』を受賞した川の駅 「伊豆城山」

 

2026年4月には、伊豆の国市に隣接する伊豆市の狩野川沿いの「ひなた公園」を指定管理者制度で開業した。伊豆市は、すでに包括施設管理を受託しており、その関係から維持管理費を効率化できる提案を行い、受託に繋がった。

伊豆市「ひなた公園」

 

包括施設管理を受託している宮崎市でも、既存の公園をPark-PFI制度で受託し、「JMさかえまち公園」を2026年6月末に宮崎市別府町にオープンした。
「JMさかえまち公園」は、都市の住宅街に位置する公園で、もともと公園内にあった児童館を取り壊して、児童館の機能を持つ「栄町 みんなのテラス」として再生し、大人もくつろげる「ひなたカフェ」などを新設した。JMが1億6300万円を投資して15年間、運営管理する。

 

宮崎市「JMさかえまち公園」
 
宮崎市「ひなたのカフェ」

 

JMは、「第2の創業期」も民間企業や地方自治体に建物・インフラなどの包括管理やエネルギーマネジメントサービスを提供していくとともに、目玉事業として官民連携の包括施設管理や指定管理・Park-PFIに挑戦していく。JMが提携する民間企業の出店も絡めて、公共が保有する「公園」などの運営管理に取り組んでいく考えだ。

 

官民➕市民協働による地方創生

公園は、地域住民にとって欠かせない公共施設だが、トイレや遊戯施設、樹木などの管理に費用はかかるものの、収益を得るのが難しい。中でも住宅街に位置する都市公園では、民間事業の収益確保はなおさら難しいだろう。しかし、建物・施設の保守メンテナンス事業も、当初はビジネスとして困難と言われたが、今がある。

私は、小規模な公園・施設などの官民連携分野事業の成功には、市民との協働の考え方を取り込むことが必要だと考えている。税金を納めて役所に運営してもらうのでなく、市民一人ひとりの知恵と工夫を活用して、官民+市民で支えることが重要なのである。

JMでは「官+民+市民」が一体となり、さまざまな実証実験を行うことで、官民連携事業の成功、ひいては地方創生の成功に繋げていきたいと考えている。

 

これが、JMの「第2の創業期」の挑戦である。

 

(了)